大人の常識が通用しない幼稚園の園庭改修工事

「庭じまい」で出る庭石をふんだんに使って、冒険心を掻き立て自然環境の中で安全教育を目指す「あけぼの幼稚園の園庭改修工事」に参加させていただきました。

当初は大人の感覚で設計をしておりましたが、子供たちには大人の常識が通用しないことを学びました。

【Before】こちらが改修前の園庭です。

【After】こちらが改修後の園庭です。

作業工程

「庭じまい」で樹木の処分は簡単ですが、庭石の処分が大変です。庭石は捨てれば「がれき」ですが活かせば資源になります。この石(手水鉢:ちょうずばち)が築山の中央に鎮座する滝の石になります

これらの庭石をどのように使うのかは、過去の経験がものをいう世界です。

この池を潰して岩の築山(つきやま)を造り、そして滝を流し せせらぎを通って魚やザリガニが生息する池に辿り着くというストーリーです。

いよいよ既存の川の斫り撤去作業が始まります。

築山の石積みは地震がきても崩れないように、しっかりと楔(くさび)を打ち込んでいます

この石は苔むして自然生えのサツキが2本生えています。先生方はこのサツキは子供達の攻撃を受けて、いつまで耐えられるのか?心配されていました。

石組は造園の仕事一筋で50年の経験豊富な岩田さんの腕の見せどころです

子供達がチャレンジできる築山造りです・・安全なところで角張ったものはなく平坦な場所で安全教育はできないという「学校法人 あけぼの学園」の思想に基づいた子供達のための築山造りです。

何度も園庭改修工事を行っているので、配管類が複雑に入っています。

ここは、滝へ流すための水を溜めるタンクの掘削です。梯子なしでは自力で上がってこられない深さです!!

これから2000リッターのタンクを設置します。

案ずるよりも産むが易し・・うまくタンクを据え付けることができました。

これらの木々がどのような働きをするのでしょうか?楽しみです

次々と石と木が据えられていきます。

カイズカイブキの幹の形は面白く、子供達にはどう映るのでしょうか?

ここへ丸太を建てる準備です

枝は敢えて残し、子供たちが足をかけて登り易くしています。

副園長の安家 匠先生は自ら手で木材の防腐剤を塗っています。

安家理事長先生

安家理事長先生も上手に樹木の皮をむいていました!

いろいろな職人達が忙しく働いています

10時の休憩時間に職人さん達と先生方で記念の写真を撮りました

理事長先生と副園長先生は「枯れ木」を設置する掘方をされています。

小さなケガは大きなケガの予防というコンセプトを目的に、築山の石組は順調に進んでいます。

決して登り易い石組ではありませんが、子供達の冒険心をそそります。

大きな丸太は子供達の舞台になりそうです

このカイズカイブキの幹の形は、子供達の心に残るように思います。

魚が生息する最終池の周りは子供達が入りにくいように御影の板石を建てています。

子供達の遊び場である「せせらぎ」の下地造りです。

ここも、子供達が遊べる州浜を造る計画です。

防水シートを張るためにアンダーライナーを敷いています。石ころ等で防水シートが破れない処置をしています。

防水シートは4m×10mの1枚物で継ぎ合わせを無くしております

「せせらぎ」の下地造りです。

川床の左官仕上げ材は、マツモト産業さんの「町家セレクト」という新しい商材で、エコな工法を取り入れました。

表面のセメントのノロを拭き取っています。

「町家セレクト」は綺麗に仕上がりました!いろいろな石が混ざり、子どもたちに喜んでもらえそうです。

写真中央のバラン(葉蘭)は庭じまいで処分されるところでしたが、ここへ移植をしました。捨てればゴミですが、活かせば資源です。池は水を張ったばかりですが、子供たちは待ちきれず水の中に入り遊んでいます。

こうして滝からは水が溢れ出ています。子どもたちは水に濡れることをもろともせず水遊びをしています。

大きな樹木は時期的な関係で11月中旬以降に植栽しますが、子供達のために灌木については9月中に植えることになりました。

子供達がケガをしないように、杭の節やバリは丁寧に取り除きました。

子供達に感性を養ってもらう為に、ここは大人の庭の感覚を取り入れております。

水辺には「セキショウ」は欠かせません!

一次植栽はこれで完成です。石と木のコラボレーションの築山は子供達への安全教育の場として活躍することを願って「あけぼの学園の園庭改修工事」が完成いたしました。

大きな植栽は、もう少し涼しくなってから行うことになっており一区切りつけての完成です。

子供達の遊び方をみて新しい発見や幼稚園の庭づくりの楽しさを感じることができました。

ありがとうございました。

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